ない過払い金|第3 当裁判所の判断 1 原告が被告病院で診察を受けた後本訴訟を提起するまでの経過につい

過払い金の診療 ア原告はで走行中,前方を走 行していたトラックを避けようとして転倒し,左膝及び上腹部を打ち付け た。」
成人
場合
造影


造影CT検査のための注射針穿刺部位として,前腕肘 窩か手背部の表在静脈が選択されるのが通常であるところ,手を頭の上に 上げた状態では肘の部位の血管が曲がっているため,同部位に注射針を穿 刺すると血管を突き破る危険性があり,また,その状態では肘の部位より も手背部の方が血管が見えやすいことから,被告Cは,手背部の表在静脈 に穿刺することにした。
そして,原告は右利きであるところ,右利きの患 者は注射の際に不意に右手を動かすことがあるため,右利きの患者に対し ては利き手でない左手の静脈を確保する方が安全であると考えられること を考慮し,被告Cは,左手背部の表在静脈である背側中手静脈(乙B1) から造影剤を注入することにした(乙A2・2頁,被告C本人3,4,3 3頁)。
オ被告Cは,原告の左手をゴム製の駆血帯で巻いた上,左手背部の第4指 と第5指の根本付近の部位に,皮膚に対して10度から20度程度の角度 で注射針を穿刺した。
そして,静脈血の逆流を確認できたことから,駆血 帯を外して,上記背側中手静脈からの造影剤注入を試みた。
ところが,造 影剤の血管外漏出が確認されたため,被告Cは,直ちに造影剤の注入を中 止して注射針を抜いた。
その際,原告から痛みの訴えはなかったが,原告 9 は少し泣きじゃくっていた(甲A3・1頁,乙A1・2頁,乙A2・2頁, 原告本人3頁,被告C本人3,4,5,19,31,35頁)。
カ被告Cは,左手の背側中手静脈から造影剤を注入できなかったため,注 射部位を右手の背側中手静脈に変更することにし,原告の右手をゴム製の 駆血帯で巻いた上,右手背部の第4指と第5指の根本付近の部位に,皮膚 に対して10度から20度程度の角度で注射針を穿刺した(本件注射)。
ところが,針先が血管内に到達する前に原告が痛みを訴え,注射をやめる よう求めたため,被告Cは,駆血帯を外し,注射部位にアルコール綿を置 いた上で,注射針を抜いた。
そして,造影CT検査を行うことを断念し, 単純CT検査を実施した(甲A3・1,2頁,乙A1・2,3,11頁, 乙A2・2,3頁,原告本人4頁,被告C本人5ないし7,18,35頁)。
なお,上記穿刺部位は,通常の神経走行であれば,尺骨神経手背枝の第 3指への分岐部よりも末梢側であるといえる(被告C本人6,7,8頁及 び同本人調書別紙)。
(2) 平成18年11月21日の診療 原告は,平成18年11月21日に,被告病院の消化器外科を受診し,被 告Cの診察を受けた。
被告Cは,左手背部の腫れが軽減していることを説明 するとともに,原告の右手の状況を診察し,知覚異常及び感覚異常はないが 右手第3指及び第4指に軽度の痺れがあるとの訴えを診療録に記載した。
被 告Cは,原告に対して整形外科の受診を勧めたが,原告はこれを断った。
そ して,被告Cは,原告に対し,右手の痛みや痺れは1週間ほどで治まるから 様子を見てほしいと説明した(甲A3・2頁,乙A1・3頁,乙A2・3頁, 被告C本人14,22,23,36,37頁)。
(3) 平成18年11月24日の診療 アその後も,右手背部から右手第3指及び第4指にかけての痛みと痺れが 続いたことから,原告は,平成18年11月23日,被告病院に電話をか 10 けた。
休診日であった被告Cに代わって応対した消化器外科のG医師は, 原告に対し,被告病院整形外科への紹介状を書くと説明して,翌24日の 受診を指示した(甲A3・2頁,乙A1・3頁,原告本人6頁,被告C本 人24頁)。
イ原告は,被告病院消化器外科を受診し,診察したG医師に対し,右手背 部の穿刺された部位から右手第3指及び第4指にかけて疼痛と痺れがある と訴えた。


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その際,左手の造影剤が漏出した部位については疼痛はないが, 右手については,痛みは軽減しているものの,痺れが増強していると述べ た。
原告は,G医師から,被告病院整形外科を紹介され,H医師の診察を 受けた(乙A1・3,4,6,14頁,被告C本人8頁)。
ウ原告を診察したH医師は,本件注射の穿刺部位の腫脹や熱感を認めるこ とはできなかったものの,原告からティネル徴候(神経の走行に沿って皮 膚の上から指で神経を叩いた場合に,再生神経の先端あるいは神経の障害 部位でその神経の支配領域にビリッとする感じや蟻走感を生じること)と 見られる症状及び右手第4指尺側に放散する痛みの訴えがあったことか ら,右手背部側副神経損傷疑いと診断し,メチコバールを処方した(乙A 1・4,6,11,14頁,被告C本人8,9頁,弁論の全趣旨)。
(4) 平成18年11月28日の診療 原告は,被告病院整形外科を受診し,診察したI医師に対し,本件注射の 穿刺部位のティネル徴候と見られる症状及び右手第3指及び第4指の背側の 痺れ感を訴えた。
握力測定の結果は,右手0キログラム,左手23.3キロ グラムであった。
I医師は,原告に対し,メチコバールとインテバンクリー ムを処方した(乙A1・12頁)。
(5) 平成19年1月9日の診療 原告は,被告病院整形外科を受診し,診察したI医師に対し,本件注射の 穿刺部位のティネル徴候と見られる症状を訴えたほか,痺れ感は従前と同様 11 で右手の指の動きが鈍いと訴えた。
握力測定の結果は,右手9.8キログラ ム,左手22.8キログラムであった(乙A1・12頁)。
(6) 平成19年2月21日の診療 原告は,被告病院整形外科を受診し,診察したI医師に対し,ティネル徴 候と見られる症状は1月9日の診療時と同様であると訴えた。
その際,原告 は,ダンサーとしての仕事は普通に行っており,多忙であると述べた。
握力 測定の結果は,右手8.9キログラム,左手21.6キログラムであった。
測定の際,原告は,痛みが走ることを恐れて十分力を入れなかったが,握ろ うと思えばもう少し握ることができた。
診察後,I医師は,原告に対し,メ チコバールとインテバンクリームを処方したが,原告は受け取らなかった(乙 A1・12頁,乙A5,原告本人16,26,28頁)。
(7) 平成19年4月11日の診療 原告は,被告病院整形外科を受診し,診察したI医師に対し,穿刺された 部位の痛みは消失したが,右手の痺れ感は残っていると訴えた。
握力測定の 結果は,右手17.3キログラムであった(乙A1・13頁)。
(8) 本訴訟の提起に至るまでの経緯 ア被告病院は,平成19年3月22日ころ,原告に対し,本件注射におけ る注射針穿刺の際に神経損傷によると思われる右手指の痺れが残った件に 関し,あくまでも医療行為に伴う偶発的出来事であったと考えられるが, 心情的配慮から,被告病院が見舞金として30万円を原告に支払うことで 示談することを提案した(甲C1の1・2)。
イこれに対し,原告は,平成19年3月26日,Dクリニックを受診し, E医師の診察を受けた。



被告
被告Cは,注射針の穿刺による神経損傷の可能性については説明しなかっ た。 原告は,被告Cの説明を了承し,検査同意書に署名した(乙A1・2頁, 乙A2・1頁,乙A4,原告本人2頁,被告C本人11,12,37頁)。 ウ胸腹部造影CT撮影を行う場合には,CT装置の寝台の上に患者を仰向 けにし,その両手を頭の上に置かせた状態で撮影を行うことが一般的であ るところ,本件においても,被告Cは,CT装置の寝台の上に仰向けになっ た原告に,両手の指先を頭の上で重ねる姿勢をとらせた(原告本人5頁, 被告C本人3,33頁)。